製品情報

キャピラリーチューブ

フューズドシリカキャピラリーチューブについて

リテンションギャップ

GC分析において、On-Column法あるいはSplitless法を用いた場合、ピークバンドが広がったり、1成分が数本のピークに分かれたりすることがあります。
この現象は主に、サンプル注入量が1μLを越える時や、極性溶媒のサンプルを無極性カラムで分析した時に経験します。前者の原因として、大量のサンプルがカラム内に導入されると、サンプルは液相表面に薄い膜を形成しながら、キャリヤーガスに押されてカラム内に奥深く流れ込み、結果としてピークバンドの広がりを生じることがあげられます。後者は、溶媒がいくつかの分割されたドロップとしてカラム内を流れていくため、溶質ピークの分割が起こると考えられます。
シリカキャピラリーチューブは内面処理により、水以外のほとんどの溶媒になじみがよく、溶質に対して保持力をもちません。シリカキャピラリーチューブを2m程度、分離カラムの入口に接続することでリテンションギャップとして利用できます。導入された液体試料はシリカキャピラリーチューブ内で均一に広がり、オーブン温度の上昇とともに、沸点の低い物から順次、気化、移動を始めます。
この時、リテンションギャップは保持力がないため、溶質は速やかに分離カラム入口に到達し、ここで液相の保持力により濃縮されます。従って、シリカキャピラリーカラムの高分離特性を損なうことなく、On‐Column、Splitless法が行えます。

ガードカラム

GC分析において汚れたサンプルや、不揮発成分を含むサンプルを直接カラムに導入すると、活性点を生じたり、液相の劣化を引き起こす原因になります。On-Column、Splitless、Split法でも、程度に差はあるものの、これを避けることはできません。
カラムをこのようなサンプルから保護するため、2m程度のシリカキャピラリーチューブを分離カラムの入口に接続し、汚れの進み具合によって交換します。

トランスファー管

GC/MS、LC/MS、GC/FTIR、LC/GC、Multi‐Dimensional GC、臭いかぎアダプター等に、理想的なトランスファー管として利用できます。また、GC/MSやSFC等の抵抗管、リテンションギャップとの組み合わせによるHPLCフラクションの400μLのGCへのダイレクト導入等、その用途は多岐にわたります。

不活性処理素管

フューズドシリカは、比較的不活性な構造のため、通常の使用では問題はありません。しかし、内面にわずかに残存するシロキサンブリッジやシラノール基の影響で、極性サンプルなどでは、テーリングや吸着などが見られる事があります。不活性処理素管は、当社独自の不活性処理によって極性サンプルに対して強い不活性度を示します。