技術情報

ガスクロマトグラフィー(GC)の基礎

Ⅲ章-8 フラッデッドゾーンとリテンションギャップについて

フラッデッドゾーンとは、カラム温度が溶媒の沸点よりも低い場合、カラム内で溶媒が液体の状態で広がっている状態のことをいいます。スプリットレス注入法のようにカラムへの試料導入量が多い場合、試料の拡散を防ぐためにカラム入口での再濃縮は不可欠です。再濃縮を得るためにカラム温度を溶媒の沸点より低い設定にした場合、フラッデッドゾーンが形成されますが、溶媒が不均一に広がってしまうと、濃縮効果がうまく得られず、ピークが割れたり、形状が悪くなります。これは、カラムの液相と溶媒の極性が合わないために起こる現象です。改善するためには、リテンションギャップとして、試料の極性に合わせたカラム(長さ0.3~5m程度)を分析カラムの前に接続します。均一なフラッデッドゾーンの形成は、リテンションギャップの効果の一つです。

0.3mm I.D. 各種キャピラリーカラムにおけるフラッデッドゾーンの長さ cm/µL(H2 2.5mL/min)

Film
thickness
Column
n-
Hexane
Diethyl
ether
Acetone
Benzene
Dichloro
methane
Methanol
2-
Propanol
0.05µm
OV-1
18
17
47
23
25
270
28
0.15µm
OV-2
20
16
80
19
17
230
30
0.30µm
SE-54
20
17
25
20
16
235
25
2.00µm
SE-54
13
9
20
8
9
200
20
0.40µm
OV-1701
26
19
23
20
8
240
30
0.22µm
OV-17
23
26
20
18
17
30
20

Length of the Flooded Zone in the Column Inlet and Evaluation of Different Retention Gap for Capillary Gas Chromatography; K.Grob,H.P.Neukom,M.-L.Riekkola; J.High
Resol.Chromatogr.,7,319 (1984), 一部削除