バルコバルブ
アクチュエーターの選択方法
アクチュエーターとは、バルブの流路やポジションの切り替えを自動または手動で行う装置です。手動タイプのほか、エアー駆動や電動駆動のタイプがあり、精密な流体制御や迅速な切り替えを可能にします。特にエアー駆動や電動タイプは、従来人手で操作していたバルブの回転(ロータリー動作)を正確かつ自動で行うことができ、分析装置や自動化システムへの組み込みに適しています。
手動式(マニュアル アクチュエーター)

操作が簡単で構造もシンプルなため、メンテナンスが容易です。低コストで導入でき、費用対効果に優れた選択肢です。位置フィードバックオプションにより、手動操作でもデータシステムとの連携が可能です。
マルチポジションバルブでは、ポジション数が多くなると目視による正確な位置決めが難しくなるため、操作ミスに注意が必要です。
直結手動型の接続方法

中継シャフト付き手動型の接続方法

エアー駆動式 (エアー アクチュエーター)
エアーアクチュエーターは、比較的低コストで自動化システムを構築するのに適しています。空気圧によってバルブを切り替えるため、高速な切換えと高トルク出力が容易に得られます。ただし、電動型に比べて位置決め精度が劣るため、マルチポジションバルブで6流路以上を制御する用途にはあまり推奨されません。
2ポジション用アクチュエーター

2ポジションのエアーアクチュエーターは、2つあるエアー供給口のいずれかに圧力を加えることで、バルブが切り替わります。

マルチポジション用アクチュエーター

マルチポジションエアーアクチュエーターにはラチェット機構が搭載されており、1回のエアー供給でバルブを1ステップだけ回転させ、逆方向には回転を許さない仕組みになっております。
また、回転スイッチが内蔵されており、ユーザーが設計したデジタル表示装置に接続することが可能です。

電動駆動式 ( 電動アクチュエーター)
電動アクチュエーターは、ステッピングモーターやエンコーダにより高精度な位置決めが可能で、10ポジション以上でも安定した動作を実現できる点が特長です。また、圧縮空気を必要としないため、設備構成がシンプルになり、設置場所の自由度も高まります。さらに、制御仕様にもよりますが、ソフトウェアやシリアル通信(RS-232/RS-485、USB など)による高度な制御にも対応可能です。
小型電動アクチュエーター

小型電動アクチュエーターは、駆動部が制御部や電源と分離されているため、装置への組み込みに適しています。また、自動アライメント機能を備えており、バルブの位置調整が自動で行われるため、設置やメンテナンスが容易です。
2ポジション用アクチュエーター
独自のストール検知回路(Stall-Sensing Circuitry)を搭載しており、バルブとアクチュエーターの位置ずれによるトラブルを未然に防止します。これにより、30°、36°、45°、60°、90°など、さまざまな回転角度のバルブに対して、1種類のアクチュエーターで柔軟に対応することが可能です。
マルチポジション用アクチュエーター
マルチポジション用の小型電動アクチュエーターは、2~96ポジションまでのすべてのセレクターバルブに対応しているため、4、6、8、10、12、16ポジションなど複数のバルブ構成にも、1種類のアクチュエーターで対応可能です。また、回転方向の切り替え機能も備えており、最短ルートで目的のポジションに移動することができます。
ユニバーサル電動アクチュエーター

ユニバーサル電動アクチュエーターは、Valco社の各種バルブおよびセレクターに柔軟に対応できるよう設計された、高汎用性・高機能な電動アクチュエーターです。以下のような特長を備えています。
- 2ポジションおよび最大で96のマルチポジション まで制御可能な柔軟な設計
- 3つのモデル(高速・中速/中トルク・高トルク)で全ラインナップの回転トルクに対応
- 多様な制御インターフェースに対応しており、PLCやPCとの接続が可能で、システム統合が容易
- 独自のストール検知回路を搭載し、バルブとアクチュエーターの位置ずれによるトラブルを防止