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バルコバルブ

バルコ製コニカルバルブ概要

Valco社のコニカルバルブ(Conical Valve)は、ガスクロマトグラフ(GC)をはじめとする分析機器やプロセス制御装置に最適な、精密流体制御用バルブです。高い信頼性と耐久性により、多くの研究・産業現場で採用されています。しかし、Valcoバルブにはさまざまな種類や仕様があり、どのバルブを選べばよいか迷われる方も多いのではないでしょうか。
本ページでは、用途に応じた最適なValcoコニカルバルブの選定方法を、わかりやすくご紹介します。

1. コニカルバルブの基本構造

コニカル(円錐形)バルブ

コニカル(円錐形)バルブは、一般的な平面摺動型バルブのように高い平面精度を維持する必要がなく、構造がシンプルで摺動面の調整も容易です。このため、現地での簡単な修理や保守作業が可能で、分析装置やプロセス機器のダウンタイムを最小限に抑えることができます。

コニカルバルブの構造は、ボディ内面にはめ込まれた円錐形(コニカル)ローターを、加圧部(PRELOAD ASSEMBLY、PLA)の先端にある鉄球が押し付けることでシールする仕組みです。加圧部内部には、鉄球を所定の圧力で押し続けるスプリングが組み込まれており、最適な加圧状態に調整されたうえで出荷されます。組み立ては非常に簡単で、ローターを挿入し、加圧部を指先で止まるまで締めるだけで完了します。

コニカルバルブの構造

この構造により、ループやチューブを取り外すことなく、またバルブ本体をアクチュエーターや取付ブラケットから取り外すことなく、現場で容易にローターの交換が可能です。さらに、シンプルな構造により多様な流路構成に対応可能であり、各部材の材質も自由に組み合わせられるため、広範な温度・圧力条件や耐食性要件にも柔軟に対応できるという特長があります。

2. コニカルバルブの種類

Valco社のコニカルバルブ(Conical Valves)は、その動作から2ポジションバルブとマルチポジションバルブに大別されます。

2ポジション・バルブ

2ポジションバルブは、ポジションAとポジションBの2つの位置でのみ流路が接続されます。その中間では流路が閉塞され、流体は流れません。ポジションは両位置を往復するのみで、1回転してポジションAまたはポジションBに直接戻ることはできません。

2ポジションバルブのポジションAとポジションB

2ポジションのコニカルバルブの構造ですが、上図のようにガス配管を接続する「ボディ」とガスが流れる流路を刻んだ「ローター」から構成されています。
ローターを回転させ、刻まれた溝の位置を変更することで、流路を切り替えることができます。

マルチポジションバルブ

マルチポジションバルブは、ボディの円周上に配置された複数の選択ポートを、ローターの回転によって選択し、ガスや流体の流路を切り替えます。これにより、複数のラインを柔軟かつ迅速に制御することができます。

マルチポジションバルブは、上図のように、ガス配管を接続する「ボディ」と、ガスが流れる流路を刻んだ「ローター」の2つの主要な部品で構成されています。
ローターには、共通ポートと複数の選択ポートを接続する流路が設けられています。ローターを回転させることで、特定の選択ポートと共通ポートが接続され、ガスの流路を切り替えることができます。

3. コニカルバルブの構成

バルコ社のコニカルバルブを使用するには、最小限、アクチュエーター、中継シャフト、バルブ本体を選択する必要があります。

アクチュエーター

バルブの流路やポジションの変更を自動的または手動で行う装置です。手動、エアー駆動、電動駆動タイプがあり、精密な流量制御や迅速な切り替えを実現します。

中継シャフト

ハンドルまたはアクチュエーターとバルブの間に取り付けられる延長シャフトです。これにより、バルブを加熱ゾーン内に設置しつつ、アクチュエーターやハンドルは周囲温度のまま保持できます。直結タイプと2、3、4、6インチの計5種類を提供しています。

バルブ本体

2ポジションバルブとマルチポジションバルブの2種類に分類されます。流路形式、配管接続径、材質などのバリエーションが豊富で、多様な流体制御ニーズに対応可能です。