技術情報

HPLCの上手な使い方

Ⅲ章-2 配管用チューブ

配管に用いられるチューブの外径は1/16inch(1.58mm)のものが一般的です。また内径に関しては0.1mmから1.0mmがあり、目的に応じて選択する必要があります。各サイズのチューブの特長と用途をまとめると以下のようになります。

内径(mm) 特長および用途
0.1 10cmあたりの容積が0.8µLで、デットボリュームが非常に小さくマイクロボアカラム用の配管のインジェクター~カラム間、カラム~検出器間などに使われます。また内径が細いので抵抗管としても使われます。しかしステンレス製のものはつまりやすく非常に加工しにくいので、マイクロボアカラム用の0.1mmの配管材にはポリシルチューブ(III-7参照)をお使いください。
0.25 10cmあたりの容積は4.9µLあり、加工が比較的簡単でデットボリュームも小さいので通常の分析用液体クロマトグラフのインジェクター~カラム間、カラム~検出器間などの配管として使われます。このときの材質はインジェクター~カラム間が耐圧の面でステンレス製、またカラム~検出器間は操作性の面でテフロン製のものがよく使われます。
0.5 10cmあたりの容積は20µLで、分析用の液体クロマトグラフのポンプ~インジェクター間や、分取用(流速10~40mL/min)のインジェクター~カラム間、カラム~検出器間などの配管として使われます。またポストラベルなどの反応用コイルとしても使われます。
0.8 10cmあたりの容積は50µLで、分取用(流速10~40mL/min)の配管やサンプルループとしてよく使われます。
1.0 10cmあたりの容積は79µLで、流速50mL/min以上の分取用配管やサンプルループとして使われますが、 肉厚が非常に薄いので耐久性があまりよくありません。