技術情報

加熱脱離チューブの選び方 

Ⅰ章-2 捕集管の構成

2-1.捕集管の構成

加熱脱離チューブは、さまざまなガス捕集用途に対応できるよう、高い化学的安定性、均一な流路特性、
ならびに再現性の高い吸着・脱離挙動を確保する構造で設計されています。

ガラスチューブ

・金属部品を使わないため完全に不活性で化学的影響が少ない。
・CAMSCO 製チューブでは、焼結フィルター側がサンプル入口です。

ステンレスチューブ

・物理的強度が高く、フィールドサンプリングで安心
・CAMSCO 製チューブでは、コルセット側がサンプル入口です。

2-2.捕集管内の吸着剤構成

加熱脱離用捕集管には、用途に応じて単一吸着剤を用いるシングルベッドと、複数の吸着剤を組み合わせたマルチベッドがあります。対象成分の揮発性範囲や分析条件により最適な構成を選ぶことが重要です。

2-2-1. シングルベッドチューブ (Single Bed Tube)とは

シングルベッドチューブは、1種類の吸着剤を充填した最も基本的な捕集管です。

〇 特徴
・扱いやすく、再現性が高い
・校正用チューブとしても利用しやすい
・対応する揮発性範囲は比較的限定される

〇 代表例:Tenax TA
 最も一般的に使用される吸着剤で、C6〜C26 の範囲の揮発性有機化合物を幅広く捕集できます。

2-2-2. マルチベッドチューブ (Multi Bed Tube) とは

複数の吸着剤を組み合わせ、より広範な揮発性領域を同時に捕集できる捕集管です。

〇 特徴
低沸点〜高沸点成分を1本で捕集可能
EPA TO-17、NIOSH 2549 など国際規格で使用される標準的構成
湿度が高く、吸着剤にカーボンモレキュラーシーブを使う場合はドライパージを推奨

〇 層構成の基本原則
 揮発性の高い成分から順に吸着できるよう、弱い吸着剤 → 強い吸着剤の順に充填します。