技術情報

加熱脱離チューブの選び方 

Ⅰ章-1 チューブサイズと材質の選択

1-1.チューブサイズの選択

捕集管は、一般的に外径1/4インチ×長さ3.5インチ(6.35 mm ×約 89 mm ) のサイズが世界標準として広く使用されています。このサイズは Markes、GERSTEL、PerkinElmer など、主要な加熱脱離装置で互換性があり、最も多くの分析機器で使用できる規格です。
以下に、主な加熱脱離装置の対応サイズを示します。
なお、ご使用中の装置の仕様が不明な場合は、使用前に必ず装置メーカーへご確認ください。

外径1/4インチ×長さ3.5インチ

メーカー 対応機種
ジーエルサイエンス Hnady TD 265、OPTIC-4 TDU Version
島津製作所 TD-30シリーズ、TD-20シリーズ
PerkinElmer TurboMatrixシリーズ、ATD400、ATD50
Markes UNITY-xr、UNITY2
Gestel TD3.5+

外径6 mm×長さ7インチ

メーカー 対応機種
Gestel TDS3、TDS2

外径6 mm×長さ60 mm

メーカー 対応機種
Gestel TDU、TDU2

1-2.チューブ材質の選択

捕集管は、内部に吸着剤を一定量充填したチューブで構成されています。
チューブの材質は、ガラス・ステンレススチール・不活性処理ステンレスなど複数あり、選択する材質によって吸着剤の化学的安定性や耐久性などに影響します。
分析目的や対象成分に応じて、チューブ材質を適切に選ぶことが重要です。

ガラスチューブ

<特長>
・非常に不活性で、汚染や反応の影響を受けにくい
・吸着剤の状態が目視でき、詰め具合の確認が容易
・石英ウールフィルターが吸着剤を保持し、飛散を防ぐ

<短所>
・破損しやすく、取り扱いに注意が必要
・ステンレスチューブに比べて内径が細いため、高流量でのサンプリングにはやや不向き

ステンレスチューブ

<特長>
・破損の心配がなく、フィールドサンプリングでの携帯性と耐衝撃性に優れる
・ガラスチューブと比較して内径が大きく、高流量でのサンプリングに対応しやすい

<短所>
・吸着剤の状態を外観で確認できない
・金属表面との反応により、一部の化合物が影響を受ける可能性

不活性化ステンレスチューブ(SilcoNert 2000コーティング)

<特長>
・ガラス並みの不活性度を金属の強度で実現
・硫黄化合物や反応性ガスにおいて、ガラスを超える低吸着・高再現性を実現

<短所>
・ガラスやステンレスに比べて、コストが高い
・長期間の使用によってコーティング性能が劣化する可能性