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固相カラムの選択方法について

固相カラムの選択方法について

固相抽出カラムはたくさんの種類があり、選択が重要になります。
ここでは、「サンプルのマトリックス(目的成分は何に溶解しているか)」と、「目的成分の物性(イオン性や極性の強さ)」の情報から、固相抽出カラムを選択する方法についてご紹介します。

サンプルのマトリックス(目的成分が何に溶解しているか)
目的成分の物性(イオン性や極性の強さ)

 

目的成分が「非~中極性化合物」の方は【逆相系カラム】

逆相とは、目的成分の疎水性に着目して目的成分を溶出させる方法です。
対象成分の疎水性の高さに合わせて、固相を選択します。
疎水性とひとえに言っても、炭化水素(CH)のようなものから活性炭のように、さまざまです。その際、化合物の疎水性の指標であるLogP(値が高いものほど疎水性が高い)を参考に固相を選択していきます。

【逆相:目的成分の疎水性に着目した固相の選択方法】

実際どうやって使用されている?

水中、および抽出液に存在する疎水性有機化合物の分離、濃縮に利用されます。
化合物によっては、これらの代謝物を一斉に分離することが可能です。
また、LC/MS分析における脱塩精製処理などにも使用されています。

[ファンデルワールス力]

主な固相抽出カラム
・ポリマー(逆相)
HLB, PLS-2, PLS-3, RP-1, RP-2, RP-C18, Pharma

・シリカゲル
C18, C18-B, C18-C, C18-ENV, C8, C2, CH, PH


目的成分が「イオン性化合物」の方は【イオン交換系カラム】

イオン交換とは、目的成分のイオン性に着目して目的成分を溶出させる方法です。
イオン交換といっても、酢酸のような弱酸性のものから硫酸のような強酸性のものまでさまざまです。
その際、化合物の酸の強さの指標であるpKa(値が低いほど酸性が強い)を参考に固相を選択していきます。

【イオン交換:目的成分のイオン性に着目した固相の選択方法】

実際どうやって使用されている?

溶液中で解離しているイオン性物質の分離抽出に利用されます。
条件設計に慣れが必要ですが、目的成分を非常に強力かつ選択的に保持できます。

[イオン交換相互作用]

主な固相抽出カラム
陰イオン交換系
NH2, PSA, SAX, SAX-2, MA-1, MA-2, MAX, WAX

陽イオン交換系
CBA, PRS, SCX, SCX-2, MC-1, MC-2, MCX, WCX, MPC

目的成分が「中~高極性化合物」の方は【順相系カラム】

実際どうやって使用されている?

低極性有機溶媒条件下にて、各成分の極性の強弱を利用して分離精製を行うことができます。
n -ヘキサンなどの低極性溶媒中において、その作用が増強されます。

極性相互作用

主な固相抽出カラム
・シリカゲル
CN, 2OH, SI

・アルミナ、フロリジル
AL-A, AL-B, AL-N, FL, FL-PR