技術情報

誘導体試薬の使用例

Ⅲ章-2 蛍光試薬

蛍光検出器は吸光検出法に比べ選択性が高く、かつ高感度で分析できる特性があります。自然蛍光を持たない化学物質を蛍光試薬を用いて誘導体化することで、高感度に分析することができます。

4-Bromomethyl-7-methoxycoumarin(Br-MmC)

試料3µmolをアセトン400µLに溶かし、Br-MmCを9µmolとK2CO3 25mgを加える。1時間還流し反応させる。
Ref.:Dunges, W., Anal. Chem., 49, 442(1977)

NBD-Chloride

試料0.1mgに1mol NaHCO3 0.2mLと1% NBD-Cl酢酸エチル溶液 0.2mLを加え、80ºCで30分間加熱する。冷却後、上層をTLCで分析する。
Ref.:Van Hoof, F. and Heyndrickx, A., Anal. Chem., 46, 286(1974)

o-Phthalaldehyde (OPA)

10mg/mLのOPAエタノ-ル溶液 1.5mLとNa2B4O7緩衝液 90mL混合して試薬を調整する。この調整試薬に5µL/mL 2-Mercaptoethanolのエタノ-ル溶液 1.5mLを混合する。試料溶液(10-4~10-3mol)100µLと調整試薬(0.05mol,pH9.5)3mLを混合し5~25分以内に蛍光を読む。
Ref.:Roth, M., Anal. Chem., 43, 880(1971)

Dansyl Chloride (Dans-Cl)

0.1~5.0µgの試料を含む血液または血漿 0.05~2.0mLに0.675µgの内部標準物質(R=C2H5)と2N NaOH 200µLを加える。酢酸エチル 3mLで抽出し、その2mLをとって1N H2SO4 50µLで逆抽出する。酢酸エチル層を捨て、酸層をヘキサン 1mLで洗う(分離を完全にするために水層をドライアイス/アセトンで凍らせると良い)。溶けた酸層に1mol NaHCO3 50µLと1mg/mL DANS-CI/アセトン溶液 200µLを加える。60ºCで30分間加熱し、次いで0.5N NaOH 100µLで過剰の試薬をNa塩にする。
アセトンを40ºCで真空除去する。citrat緩衝液(pH6.0)1mLを加えて四塩化炭素 200µLで抽出する。四塩化炭素層をHPLCで分析を行う。
Ref.:Meffin, P.J., et al., J.Pharm. Sci., 66, 583(1977)

Fluorescamine

試料溶液(10-3mol)数µLをとり,リン酸ナトリウム緩衝液(0.05mol,pH8.0)20µLに薄める。Fluorescamineのアセトン溶液(0.2%)10µLを激しくかき混ぜながら加える。反応液の一部をカラムに注入する。
Ref.:Imai, K., J.Chromatogr., 105., 135(1975)