誘導体試薬の使用例
Ⅲ章-1 UV試薬-2
PBPB
500µg以上のプロスタグランジンをPBPB 3倍mol過剰に含んだ無水CH3CN溶液 1mLに溶解する。Diisopropylethylamine 2µLを加え、25ºCで1時間放置する。この溶液をHPLCで分析する。(試料が1~100µgのときはCH3CNの量を0.1~0.2mLに減らし、アミンも0.5µLにする。試薬は3倍mol量で変わらない。)
Ref.:Fitzpatrick, F.A., Anal. Chem., 48, 499(1976)
Fitzpatrick, F.A., J.Pharm. Sci., 65, 1609(1976)
Morozowich, W. and Douglas, S., Prostaglandines, 10, 19(1975)
PBPB
試料をKOH-CH3OHで中性にし、CH3OHを窒素気流中で蒸発させる。過剰量のPBPB/18-Crownアセトニトリル(orベンゼン)溶液を加えてかき混ぜながら、80ºCで15分加熱する。冷却してHPLCで分析を行う(PBPB/18-Crownの割合は大きい試料に対しては20:1、小さい試料には10:1モル比で使う)。
Ref.:Durst, H.D., et al., Anal .Chem., 47, 1797(1975)
Pei, P.T.S., et al., Lipids ,11, 814(1976)
1-p-Nitrobenzyl-3-p-tolyltriazene(PNBTT)
2~3mgの試料を5mLのミニバイアルにとり、エタノール 3mLとPNBTT 50mgを加える。ゆるく栓をして65ºCで1時間加熱する。冷却後HPLCで分析を行う。または乾燥窒素で蒸発させ、エチルエ-テル 2~3mLに溶解させて希塩酸で洗う。次に水で洗い、エチルエーテル溶液をHPLCで分析を行う。(酸を加えるのは、過剰の試薬と、反応副生成物のトルイジンを除くためである)。
Ref.:Regis Lab Notes, No. 17 Nov.(1974)
2、4-Dinitrophenylhydrazine(DNPH)
カルボニル化合物の水溶液を、30% HCIO4水溶液に24mg/mLの割合でDNPHを溶かした溶液とともに処理し、酢酸エチルで抽出してHPLCで分析を行う。
Ref.:Carey, M.A. and Persinger, A.F., J. Chromatogr. Sci.,10, 537(1972)
Newberg, C., et al., Anal. Chem. Acta., 7, 238(1952)
PITC
試料に20µL(エタノ-ル/水/TEA=2/2/1)を加え、減圧乾固した後、50µL(エタノ-ル/水/TEA/PITC=7/1/1/1)を加えて室温で20分間反応させ、PTC化する。過量の試料を減圧乾燥によって除去し、溶離液に溶解後、0.45µmのフィルタ-でろ過してHPLCで分析を行う。
Ref.:K.Kuwano, et al., Nippon Nogeikagaku Kaishi, 61, 53(1987)
B.A.Bidlingmeyer., et al, J.Chromatogr., 336, 93(1984)
PNBC
2~10mgのGlicolipidをアセトン/ピリジン(1:1v/v)0.5mLに溶かし、80ºCで2時間加熱する。P2O5デシケ-タ中で乾燥し、ピリジン 0.3mLにPNBC 50~120mgを溶解した溶液を加え、60ºCで4時間加熱する。氷浴で冷やし、3%NaHCO3水溶液2mLを加え、クロロホルム 2mLで抽出する。抽出液を3% NaHCO3水溶液 2mLで2回、H2O 2mLで2回洗浄する。溶媒を蒸発させ、残渣をCHCl3/CH3OH(1:1v/v)50µLで溶かし、HPLCで分析を行う。
Ref.:Suzuki, A., et al., J.Biochem., 82, 1185(1977)