技術情報

誘導体化試薬の使用例

Ⅱ章-3 エステル化剤-3

DMF ジメチルアセタル

脂肪酸 50mgをバイアルにとり、試薬を300µL加えます。試料が溶解すれば反応は終了です。反応を完全に進行させるためには、60ºCで10~15分間加熱すると良いようです。反応液はそのままでGCに注入できます。ただし低級脂肪酸(C10程度まで)はDMF中の不純物の影響で妨害されるため、この方法は適しません。
Ref.:J.P.Thenot et al.,Anal.Lett.,5,p217(1972)

塩酸-メタノール

アミノ酸試料(2mg以下)を乾燥したバイアルにとり、2mLの塩酸-メタノールを加えて70ºCで90分間加熱します。減圧乾燥した後、TFAA 0.2mLを加え、密栓して室温で30分間放置します。揮発性の高い誘導体の損失を防ぐために0ºCで乾燥し、MEKまたはアセトニトリル 100µLを加えてGCに注入します。
Ref.:F.Weygand et al.,Z.Physiol.Chim.,322,p38(1960)

塩酸-メタノール+塩酸-ブタノール

アミノ酸混合試料(60mg以下)を1.2N 塩酸-メタノール 10mLに溶解し、室温で30分間撹拌した後60ºCで減圧乾燥します。1.2N塩酸-n-ブタノール 10mLを加え、100ºCで2.5時間加熱撹拌します。ジクロロメタン 4mLとTFAA 1mLを加え、室温で15分間撹拌します。この溶液のうち1mLを肉厚の試験管に移し150ºCで5分間反応させます。放冷後溶液を直接GCに注入します。
Ref.:W.M.Lamkin and C.W.Gehrke,Anal.Chem.,37,p383(1965)

ナトリウムメトキシド/メタノール

10~30mgの脂質をベンゼン1mLに溶かし、0.5N ナトリウムメトキシド/メタノール 1mLを加えます。密栓して80ºCで15~20分間加熱し、室温に冷やした後、水 3mLとエーテル 3mLを加え充分に混合して有機層をとります。この有機層をさらに水 2~3mLで洗浄した後、硫酸ナトリウム上で乾燥して試料とします。

Phenyltrimethylammonium Hydroxide (PTAH) (別名 : Trimethylanilinium Hydroxide)

脂肪酸 1mgを室温で0.2mol PTAH-メタノール溶液 0.5mLに溶かし、その1µLを直接GCに注入します。このとき注入口温度は265ºCに設定します。