技術情報

誘導体化試薬の使用例

Ⅱ章-3 エステル化剤-2

三フッ化ホウ素-メタノール(BF3-MeOH)

脂肪酸 100mgをバイアルにとり試薬を3mL加えた後、水蒸気浴上で2分間還流・沸騰させれば反応は終了します。

脂肪酸メチルエステルの回収は次のように行います。

C10以上 : 混合液を30mLの石油エーテルとともに分液ロートに入れ、蒸留水を加えてよく振り混ぜます。分液後、水・メタノール層を捨て有機層をろ過してから溶媒を除きます。
C2-C8 : 混合液を20mLの蒸留水とともに分液ロートに取りよく振り混ぜて分液し、エステル層(上層部)を取ってろ過・乾燥させます。

三フッ化ホウ素/n-プロパノール

カルボン酸ナトリウム塩に、3~4適のリン酸を加えたn-プロパノール 1mLを含ませてグラインドします。3mLのn-プロパノールとBF3 14% n-プロパノール溶液を2mL加え、90ºCで2分間加熱します。冷水で冷却し、30mLの冷水とエーテルを加えます。その後エーテル層をGCに注入して分析します。この方法は、モノカルボン酸はC4~C20、ジカルボン酸はC3~C12の分析に適しています。
Ref.:A.J.Appleby and J.E.O.Mayne,J.Gas Chromatogr.5.266(1967)

三フッ化ホウ素/iso-プロパノール

25~100mgの酸にBF3 14% iso-プロパノール溶液150µLを加え、100ºCで20分間加熱します。氷水で冷却し、n-ペンタン 0.2mL、エーテル 0.2mL、n-ペンタンとトリエチルアミン1:1混合品 0.15mL加えて良くかき混ぜ、遠心分離後GCに注入します。
Ref.:P.A.Biondi and M.Cagnasso,J.Chromatogr.109,389(1975)