技術情報

MonoTrapの上手な使い方

6章 - 1溶媒抽出

MonoTrapで捕集された試料は、少量の溶媒で短時間に抽出することができます。200 µL以上の溶媒で抽出してください。
また窒素ガスを吹き付けるなどして抽出溶液の再濃縮を行うと、さらに高感度で測定が可能です。ただし、低沸点成分は揮発してしまう可能性があるので注意が必要です。

6-1-1.抽出溶媒の選択

MonoTrapでは、抽出溶媒としてジクロロメタン、アセトン、メタノール、エタノール、ヘキサンなど、種類を問わず使用できます。DSC18、RSC18(活性炭無)は、抽出溶媒の違いによる回収率の差はあまりありません。
一方、DCC18、RCC18(活性炭有)は抽出溶媒によって回収率に大きく相違がある場合があります。目的成分に合った溶媒を選択してください。回収率を上げるには、抽出力の高いジクロロメタンやアセトンを使用することをお薦めします。

●抽出溶媒の種類と回収率

40 mLバイアルに標準試料A(4-1参照)を25 µL添加しました。DCC18(活性炭有)で捕集後、アセトン、ジエチルエーテル、ヘキサン、メタノール、ジクロロメタン、アセトニトリルでそれぞれ抽出しました。
ジクロロメタンで抽出すると、どの成分も高い回収率が得られました。

注)超音波照射後は、バイアルが充分に冷却してからキャップを開けてください。超音波によりバイアルが加熱されると、溶媒の揮発により内圧が上がります。そのまま開封すると溶媒が勢いよく揮発し危険です。