技術情報

MonoTrapの上手な使い方

4章 - 2疎水性成分の捕集

低沸点成分の捕集は、捕集能力の高い、吸着剤を含有したタイプが有効です。中沸点~高沸点成分の捕集は、脱離能力の高い、吸着剤を含まないタイプが有効です。

●DCC18(活性炭有)とDSC18(活性炭無)の比較

15 %NaCl水溶液40 mLに直鎖炭化水素(C7~C14、各1 mg/mL)を2 µL添加し、DCC18(活性炭有)とDSC18(活性炭無)で捕集しました(水溶液中の各成分濃度50 ng/mL)。
DCC18(活性炭有)は、低沸点成分の面積値がより大きく、C8以上の成分は面積値の減少が見られました。活性炭の吸着効果により、DCC18(活性炭有)は低沸点成分の疎水性成分の捕集に適しています。
DSC18(活性炭無)は炭素数が増えるにつれ、面積値が大きくなる傾向がありました。DSC18(活性炭無)は低沸点成分の捕集力は弱い一方、脱離能力が高いため、疎水性化合物では中沸点~高沸点成分の捕集に適しています。

ジクロロメタンなど抽出力の高い溶媒を使用すると、DCC18(活性炭有)の回収率を改善することができます。
上記と同様の手順で直鎖炭化水素をDCC18(活性炭有)で捕集後、メタノールとジクロロメタンで抽出しました。ジクロロメタンで抽出することにより、全成分の面積値が大きく検出されました。また高沸点成分の面積値の減少も改善されました。