技術情報

MonoTrapの上手な使い方

1章 - 3MonoTrapにおける試料捕集の原理

1-3-1.気体試料の捕集

従来から使用されているPDMSをコーティングした捕集剤では、成分が気相とPDMSの液相間における分配係数に則して移動します。分配係数とは、異なる相の間に成分がどのような濃度比率で存在するかを示す物理係数です。気体試料中の成分は、分配係数に則した濃度になるようPDMS相へ移動し、捕集されます。従来型のPDMS捕集剤は表面積が小さいため、回収率良く捕集を行うためには、長時間の捕集が必要となります。
MonoTrapでは、シリカ骨格表面にコーティングしたPDMS相やC18基と、活性炭やグラファイトカーボンなどの吸着剤が捕集に関与します。PDMS相やC18基での保持と、活性炭やグラファイトカーボンでの吸着により、効率良く試料を捕集します。また表面積が大きいため、短時間での捕集が可能です。