技術情報

MonoTrapの上手な使い方

3章 - 3脱離

3-3-3.溶媒抽出vs加熱脱離

溶媒抽出の場合、GC/MSへ導入できるのは抽出液のうちの数μLです。一方、加熱脱離の場合、クライオフォーカスを使えば、全量GCMSへ導入可能なので、圧倒的に高感度分析結果が得られます。しかし加熱脱離は、一度の分析で使いきってしまうので、分析を再検討する場合は前処理からやり直す必要があります。溶媒抽出は、加熱脱離と比較して分析感度の面では劣りますが、抽出液を手元に残すことができるので、再分析が可能です。
溶媒抽出、加熱脱離どちらを選択するかは、分析の目的で使い分けましょう。

●コロン香気の溶媒抽出と加熱脱離の分析結果比較

バイアル内にコロンを吹きかけ、バイアルのヘッドスペースにMonoTrap RCC18とMonoTrap RGPS TDを吊り下げて、バイアル内に揮発した香気成分を捕集しました。捕集後、MonoTrap RCC18はジクロロメタンで溶出して得た抽出液を、MonoTrap RGPS TDはHandyTD TD265で加熱脱離し、それぞれGC/MS分析を行いました。