吸着型充填剤の選び方 -無機ガスと低級炭化水素分析の基礎ガイド-
7. WG-100での分析
7-1. 分流カラム方式を採用したWG-100カラムとは?
WG-100カラムは分流カラム方式を改良したもので、恒温条件でO2、N2、CH4、CO、CO2の同時一括分析を可能にした製品です。昇温・冷却プロセスを伴わない恒温条件で全成分の分離が完了するため、測定ごとの冷却待機時間が不要です。連続分析における分析周期の大幅な短縮と、ベースラインの安定による高い定量再現性を両立します。
7-2. WG-100の構造と原理
WG-100は、ポーラスポリマーとモレキュラーシーブがそれぞれ充填された2本のカラムを並列に配置し、入口で分流・出口で合流させる構造を採用した分流方式カラムです。外径1/4インチのステンレス管内にこの並列構造が収められており、付属のリードパイプを用いてガスクロマトグラフへ接続します。試料注入後、ガスは最適化された比率で2つの流路へ分流し、保持時間の差を利用して単一の検出器へ導かれます。
分離の原理は、モレキュラーシーブ側でO2、N2、CH4、COを分離(CO2や水は吸着)、ポーラスポリマー側で空気成分とCO2を分離します。両流路から溶出する各ピークが互いに重なり合わないよう保持挙動が精密に計算されているため、1回の注入で5成分すべてのピークを明確に独立して定量できます。
7-3. WG-100使用上の注意点
1.分析条件変更時の検量線再作成が必要
本カラムは分流方式を採用しているため、ポーラスポリマー流路とモレキュラーシーブ流路の「流路抵抗比」によって、各カラムへ導入される試料ガスの分流比が決まります。カラムの個体差はもちろん、設定温度やキャリアガス流量を変更した場合も流路抵抗比が変化し、各成分のピーク面積に影響を与えます。定量分析を行う際は、分析条件を確定させた後、必ず同一条件のもと標準ガスで検量線を再作成してください。
2. 妨害成分(低級炭化水素・水蒸気など)の共存について
試料中にエチレンやアセチレンなどの低級不飽和炭化水素、あるいは水蒸気等が含まれている場合、ポーラスポリマー流路側からの溶出ピークが、モレキュラーシーブ流路側から溶出する O2やN2のピークと重なる可能性があります。これらの成分を含む試料を分析する際は、妨害ピークの有無や溶出位置にご注意ください。
各メーカーのGCに対応した充填カラムは下記リンクをご参照ください。



























