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吸着型充填剤の選び方 -無機ガスと低級炭化水素分析の基礎ガイド-

3. 活性炭での分析

3-1. 活性炭(Active Carbon)での分析

活性炭は炭素の多孔質体であり、非常に広い比表面積を持っています。その広い表面積から生じる物理吸着力(ファンデルワールス力)を利用してガス成分の分離を行い、CO、CO2および炭素数2程度までの軽質炭化水素(C1~C2)の分離に適しています。
活性炭の表面は無極性(疎水性)のため、水のような極性分子は保持されにくく、疎水性の高い成分を選択的に吸着する特性を持ちます。水はシャープなピークとしては検出されずベースライン上に徐々に溶出しますが、シリカゲルやモレキュラーシーブのように水の注入でカラムが劣化することはありません。
なお、保持が強く溶出の遅い成分ではピークの対称性が得られにくいため、実務では比較的高温条件や短いカラムが使用されます。

都市ガスの分析例

3-2. CO2まで含めた無機ガス分析例

活性炭カラムは、恒温分析で CO2までの無機ガスを測定する際の第一選択肢となります。ただし、O2とN2は相互分離せず、1つの空気ピーク(Air)として溶出します。各成分の濃度バランスによっては Air とCOの分離が不十分になる場合があるため、カラム温度を 70 〜 100 ℃の範囲で調整して分離状態を確認します。カラム温度を低く設定すると Air と COの分離能は向上しますが、後半に溶出する CO2の保持が強くなり溶出に時間を要するため、分離と分析時間のバランス調整が必要です。

なお、一般的な活性炭では O2とN2を分離できませんが、合成ポリマー等を原料に細孔径を均一かつ緻密に制御して作られる「カーボンモレキュラーシーブ(CMS)」と呼ばれる活性炭を用いれば、分子ふるい効果が加わるため、完全分離は難しいものの、O2とN2を分離して検出することが可能です。

3-3. Heキャリヤーでの昇温分析例

活性炭カラムで昇温分析を行うと、CO、CO2および C1~C2の軽質炭化水素を一括で分析することが可能です。恒温分析では保持が強く、テーリングが生じやすい成分であっても、昇温分析を用いることでピークがシャープになり、検出感度や定量精度が大きく向上します。ただし、昇温プログラム自体の時間に加え、次回分析に向けたカラムの冷却時間が必要となるため、1サンプルあたりのトータルサイクルタイムが長くなる点には注意が必要です。

3-4. 活性炭による希ガス分析例

希ガスについては、Kr、Xeの分析が可能です。N2→Kr→Xeの順で溶出しますが、保持はMolecular Sieve 5Aより強いので、短めのカラムで分析します。

各メーカーのGCに対応した充填カラムは下記リンクをご参照ください。