技術情報

MPEX PTS Reagents プロトコル

製品内容

Cat.No. 5010-21360 5010-21361
検体数 40回 120回
試薬A 20 mL x 1本 30 mL x 2本
試薬B 0.1 g x 1本 0.1 g x 3本
試薬C 4.2 mL x 1本 12.6 mL x 1本
試薬D 50μL x 1本 150μL x 1本

膜画分の準備

<大腸菌の場合>

① 50mLの培養液(OD600 = 0.7以上)を5000 rpmで10分間、4℃で遠心する。
② ペレットを5 mLの Wash buffer (1M KCl, 15mM Tris-HCl, pH7.4)で懸濁する。
③ 5000 rpmで10分間、4℃で遠心する。
④ 再度、②と③を繰り返す。
⑤ ペレットを5 mLの 1mM AEBSF(4-(2-Aminoethyl) benzenesulfonyl fluoride hydrochloride)を含むWash bufferで懸濁する。
⑥ 氷上で超音波破砕機を用い、細胞を破砕する。
⑦ 2500 rpmで5分間、4℃で遠心して、未破砕の細胞を沈殿させる。
⑧ 上清を100,000xgで1時間、4℃で遠心する。
⑨ 上清をパスツールピペットで除き、ペレットを5 mLの0.1M Na2CO3で懸濁する。
⑩ 懸濁液を100,000xgで1時間、4℃で遠心する。
⑪ ペレットを膜画分として保存する(-80℃)。

<真核細胞の場合>

① 107細胞ペレットを100 uL のprotease inhibitor cocktail (P8340, SIGMA) を添加した2 mLの1xPBS(Wako)で懸濁する。
② 氷上でダウンスホモジュナイザーを用い、細胞を破砕する(10ストローク)。
③ 上清を100,000xgで1時間、4℃で遠心する。
④ 上清をパスツールピペットで除き、ペレットを5 mLの0.1M Na2CO3で懸濁する。
⑤ 懸濁液を100,000xgで1時間、4℃で遠心する。
⑥ ペレットを膜画分として保存する(-80℃)。

試薬の準備

① 試薬B(瓶の中の試薬を全量使用する:試薬Bの瓶に試薬Aを12mL添加し、試薬を完全に溶解する。
② ジチオスレイトール (DTT) :100mMに試薬Aで調製する。
③ ヨード酢酸 (IAA)     :550mMに試薬Aで調整する。
④ トリプシン        :約0.05 ug/uLに試薬Aで希釈・調製する。

膜ペレットの溶解

①  膜ペレットに250μLの試薬Bを添加する。
②  ボルテックスしたのち、95℃で5分間インキュベートする。
    ※十分にボルテックスをかけてください。
③  10分間、超音波処理してできるかぎりタンパク質を溶解する。
    ※膜画分は完全に可溶化できず、不溶化物が残ります。
④  BCA法(BCA Protein Assay Reagent Kit等)で上清のタンパク質濃度を測定する。

膜タンパク質の消化

①  溶解した膜ペレット 20μL (5-10μgを目安とする)を膜タンパク質消化のための試料とする。
②  1μLの100 mM DTTを加え、室温で30分間インキュベートする。
③  1μLの550 mM IAAを加え、遮光して室温で30分間インキュベートする。
④  77 μLの試薬Aを加える。
⑤  1μL (試料に対して1/100 w/w)のトリプシンを加える。
⑥  室温で一晩インキュベートしてタンパク質を消化する。
⑦  100μL (試料と等量)の試薬Cと1 μLの試薬Dを加える。
⑧  1分間ボルテックスをして、25℃、15,600xgで2分間遠心する。
⑨  上層をピペットで吸って除去する。
  ※完全に上層を除去して下さい。下層を少量吸い込んでも問題はありません。
⑩  残った試薬Cを除去するために、遠心濃縮を行う。
   (例:30度、約10-5Pa、45分間、2,000rpm )
  ※遠心濃縮処理後、試料量が50 μL 以下になるまで行ってください。。
⑪  50 μL の5% ACN, 0.1% TFAを加えてボルテックスする。
  ※ 白い沈殿物ができる場合があります。全てを脱塩カラムにアプライしてください。
⑫  GL-Tip SDBなど逆相樹脂を用いて、脱塩・精製する。