製品情報
分取りHPLC

分取HPLCは、合成物や天然物などからの目的成分の単離、最終精製などに用いられる方法です。ジーエルサイエンスでは、ノウハウや独自の技術を用いてお客様の分析HPLCに対する課題解決のサポートを行っています。本サイトでは分取HPLCに関する基礎知識や課題解決へのヒントを掲載しています。ご不明な点がありましたら、本サイト末尾に掲載のお問い合わせフォームまたは、弊社カスタマーサポートセンターまでご連絡ください。

分取HPLCの上手な使い方

分取HPLCに関する基礎的な内容やテクニックなどを掲載しています。サンプル調整、移動相選択、負荷量検討などの参考にご利用ください。

分取HPLCに関する問題点

高分離したい
生産性を向上したい
分取失敗のリスクを減らしたい (自動化時)
マニュアルで簡単にリサイクル分取したい
分析カラムでリサイクル分離効率を確認したい
分析用HPLC装置を使用してなるべく多く分取したい

①高分離したい

解決①-1:リサイクル分離

リサイクル分離は1本のカラムに何度もサンプルを通過させ高分離を得る手法です。下図の場合は、カラムに4回サンプルを通過させています。カラム圧力は1本分で、カラム約4本分の分離能力を持たせられます。また、リサイクル分離中は移動相を消費しないため、コストを低減できます。ただし、カラム出口から入り口までのデッドボリュームが分離効率に大きく関わるため、この部分の低減に工夫が必要になります。

リサイクル分離図

対応装置

解決①-2:理論段数の高い分取HPLCカラム

構造や物性の似た夾雑物が多い場合、高理論段数が得られるカラムが有効です。分析用のカラムで検討したメソッドを内径の大きなカラムでも再現できるかどうかは、カラム性能に大きく依存します。また、選択性の異なる逆相カラムや順相、HILICカラムの使用が効果的な場合があります。

内径4.6mmを1としたときのサンプル負荷量の比較図

対応カラム

  1. 高pH対応逆相カラム InertSustain C18
  2. Inertsil シリーズ 逆相、順相、HILIC、SECカラム

*分取カラムの貸し出しを行っています。詳細はお問い合わせください。

②生産性を向上したい

解決②-1:スケールアップ

スケールアップのポイントは、流量や負荷量が断面積に比例することです。

スケールアップ図

解決②-2:オーバーラップインジェクション

イソクラティック条件下で分取を行う場合、一定の間隔で連続してインジェクションを行い、分取時間の短縮や溶媒の削減を行えます。ただし、目的化合物が多い場合は、目的化合物のピークが重なってしまい、オーバーラップインジェクションを行えない場合があります。

下のクロマトグラムは、1回の分取に12分かかるサンプルを連続で注入することにより、5回の分取を30分に短縮して行った例です

クロマトグラム

対応装置

  1. 自動分取HPLCシステム PLC761(PDF)

③分取失敗のリスクを減らしたい

解決③-1:温調による再現性の向上や送液ポンプの圧力モニター

分取HPLCカラムは内径が太く、カラム表面をエアオーブンで温調しても、カラム中心を通る移動相がきちんと温まらない場合があります。この場合、ピーク形状や再現性を悪化させます。カラム内部を均一に温めるために移動相を温めておくプレヒートの使用や、送液ポンプの圧力を常にモニターすることで再現性の向上とその状態を把握することができます。

プレヒートミキサーをカラムの前に接続することで、どの運転モードでも優れた再現性を示します。

解決③-2:分取のシミュレーション

設定した分取条件に基づいてきちんと分取されるかを事前にシミュレーションすることによって条件の設定ミスを防ぐことができます。

特にたくさんピークがある場合、イメージ通りに分取できるか、また、どのピークがどの容器に分取されるか などを予め確認することができます。

分取シミュレーションの実行

分取シミュレーションの実行

対応装置

  1. 自動分取HPLCシステム PLC761(PDF)

④マニュアルで簡単にリサイクル分取したい

解決④-1:簡易マニュアルリサイクル分取システム

デッドボリュームを低減化した送液ポンプを用いて簡単に高効率なリサイクル分取が行えます。詳細をテクニカルノートに記載しましたのでご参照ください。

低デッドボリュームの送液ポンプ5回のリサイクル分離

対応装置

⑤分析カラムでリサイクル分離効率を確認したい

解決⑤-1:分析カラム用リサイクル分離システム

内径4.6mmの逆相等のカラム、内径7.6~8.0mmのSECカラムで効率的なリサイクル分離を行うには、カラム出口から入り口までのデッドボリュームを、送液に支障がない範囲で極力低減する必要があります。分析カラムに対応したシステムを使用することで、分析カラムでリサイクル分離状況の確認を行えます。詳細をテクニカルノートに記載しましたのでご参照ください。

分析カラム用リサイクル分離システム(左)
分析カラム用リサイクル分離システム(右)

対応装置

⑥分析用HPLC装置を使用してなるべく多く分取したい

解決⑥-1:送液ポンプ性能を最大限生かすカラムの選択

汎用HPLC用送液ポンプ(流量上限10mL/min) で分取を行う場合、内径10mmのカラムがよく選択されます。内径14mmのカラムは、充填剤径5µmの場合最適流量が9mL/minとなり、内径10mmのカラムの約2倍のサンプル負荷が可能です。

断面積とサンプル負荷量

注意点)流量9mL/minで送液する場合、内径0.5mm程度の配管が必要です。特に検出器セルの背圧の上昇にはご注意ください。また、イソクラティックではあまり問題ありませんが、低圧グラジエントでは、高流量でうまく送液できない場合があります。送液性能をあらかじめご確認の上、内径14mmカラムをご検討ください。

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カスタマーサポートセンター

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