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グリースレス切換バルブ

切換バルブ応用例3

ガスクロマトグラフを使用する上で「定性・定量分析をしない成分が含まれているために分析時間が長くなる」、「1本のカラムでは分離できない」、「カラムを劣化させる成分が含まれている」などの問題がある場合、解決する分析方法としてバックフラッシュ装置やプレカット装置が考えられました。

バックフラッシュとは

バックフラッシュは保持容量が大きな成分が含まれているサンプルで低沸点成分だけを分析し、高沸点成分をカットして別の系に逃がして分析時間を短縮します。バックフラッシュには、サンプルの分析する部分とカットする部分を分離するプレカラムと、プレカラムで粗分離した成分を分離するメインカラムを使用します。高沸点成分のカットは分析する成分が、プレカラムからメインカラムに移動したところでプレカラムのキャリヤーガスを逆流させて系外に排出します。

プレカットとは

バックフラッシュが低沸点成分(保持時間の短い成分)を分析 して高沸点成分(保持時間の長い成分)をカットしますが、プレカットは全成分の中の一部分(低沸点、中間、高沸点など)を取り出して分析します。1本のカラムでは分離できない成分をプレカラムで粗分離し、その必要な部分をカットして、カットした 部分の分離がよいメインカラムに導入して分析します。また、バックフラッシュのように分析しない成分を系外に放出することもできます。バックフラッシュと大きく違う点は、プレカラムのキャリヤーガスを逆流させない点です。
プレカラムのガスは常に同じ方向に流れているため、プレカラムで分離される成分のどの部分でも自由にカットできます。

バックフラッシュ装置(高沸点成分排出型)

6方切換バルブを使用したもっとも一般的なバックフラッシュ装置です。2本のカラムを使用して、1段目のプレカラムで定量する低沸点成分を分離して2段目のメインカラムに入ったところでバルブを切換えます。すると、プレカラムのキャリヤーガスが逆流してプレカラム内に残っている高沸点成分が排出されます。
プレカラムは低沸点成分を完全に分離する必要がなく、メインカラムで分離できれば良いため、プレカラムに残っている高沸点成分の排出は短時間でできます。

バックフラッシュ(注入口通過型)

多量の高沸点物質中の微量成分を分析する場合、分析時間が長いというばかりでなく、注入口の汚染も問題となります。
本システムは、注入口もバックフラッシュすることにより汚染を防ぎます。

ガスサンプリング・バックフラッシュ (サンプル注入・高沸点排出型)

8方切換バルブを使用し、ガスサンプリングとバックフラッシュを1台のバルブで行えます。1本の分析カラムを使用して、まず低沸点成分を順方向(キャリヤーガスの流れ)で分離して分析し、バルブを切換えて高沸点成分を逆方向で1本のピークとして分析できます。ガスサンプラーの使用により再現性が向上し、バックフラッシュにより分析時間の短縮ができます。