技術情報

MonoFas®プラスミド抽出キットⅢ トラブルシューティング/FAQ

1:MonoFas®シリーズは他社製品と何が違うのか?

  • 分離剤にシリカモノリスを用いているため、高純度かつ高負荷量でDNAの抽出・精製が行えます。
  • 通液部分にフィルターを用いていないため、液だまりが生じにくく、微量溶出が可能です。
  • シリカモノリスカラムに最適なBuffer組成としており、他社に比べて操作が単純なため、早く、簡便な操作が可能です。(洗浄工程後の空遠心、溶出Buffer添加後の静置不要です。)
  • 操作が単純なため、誰でも簡単に抽出が行えます。
  • 制御されたシリカモノリスを高い品質管理のもと製造しているため、再現性良くDNAを回収できます。

2:シリカモノリスは、どんなメリットがあるのか?

  • 微量溶出ができるため、エタノール沈殿なしでも高濃度DNAが抽出できます。
  • 特徴的な貫通孔(スルーポア)を持っているため、傷をつけず、また、幅広いサイズのDNA回収が可能です。
  • DNA抽出・精製に適した細孔(メソポア)を持っているため、DNAの結合能力が高く高純度で高い回収量が得られます。
  • 液切れが良く、空遠心等の操作が不要で、操作時間を短縮できます。
シリカモノリスの画像

3:DNA回収量が少ない(ない)

【予想される原因1】大腸菌が増殖していない

 <対処方法>最適な培養条件を検討してください。

【予想される原因2】カラムに添加した上清液(ライセート)にDNAが存在しない。

 <対処方法>従来のアルカリSDS法などを用いたプラスミド抽出を行い、DNAの存在を確認してください。

【予想される原因3】菌体量が多すぎる。または、加えたBufferA3の量が足りない。

 <対処方法1>カラムに添加する上清液の粘性が高い場合には、培養液量を減らしてください。
 <対処方法2>一晩培養した培養液1mLに対してBufferA3を250µL加えてください。菌体に加えたBufferA3の量を確認してください。

【予想される原因4】LB培地が残っている。

 <対処方法>大腸菌培養液の上清(LB培地)を出来るだけ完全に除去してください。

【予想される原因5】細胞の懸濁が不完全

 <対処方法>菌ペレットをBufferA3で完全に懸濁されるまで、BufferB3を添加しないでください。

【予想される原因6】BufferB3が沈殿している。

 <対処方法1>BufferB3の保存条件と使用期限を確認してください。
 <対処方法2>BufferB3を40℃で温めて再溶解してください。

【予想される原因7】菌体溶解が不完全。ライセートの調製が不適切

 <対処方法1>BufferB3を250µL加え、マイクロ遠心チューブを上下反転させて混ぜてください。
 ※大腸菌が溶けて液溶解の濁りが消えます。大腸菌のゲノムDNA、RNA、タンパク質、そしてプラスミドDNAなどが、溶液中に溶出すると溶液の粘性が上がります。
 ※ボルテックスはしないでください。激しく撹拌すると、ゲノムDNAとRNAが断片化して、プラスミドDNAと分離出来なくなります。
 <対処方法2>BufferC3を300µL加え、マイクロ遠心チューブを上下反転させて混ぜる。
 ※タンパクが不溶化し、巨大なゲノムDNAが大きな白い沈殿になります。
 ※ボルテックスはしないでください。染色体DNAを断片化しないように注意しながら、完全に混和して下さい。

【予想される原因8】溶出液が不適切

 <対処方法>溶出液を調製する場合は、10mM Tris-HCl (pH=8.5)、あるいは、アンモニア水や水酸化カリウムなどでpH=8.5~8.8に調整した水を使用する。

【予想される原因9】溶出用BufferE3がモノリス表面に拡散していない。

 <対処方法>モノリス表面の中央部分にBufferE3を添加して全体が馴染むようにする。

4:プラスミド品質が低い

【予想される原因1】溶出液の濃度が高すぎる。ヌクレアーゼが混入した。

 <対処方法1>溶出の前に洗浄ステップを行ったことを確認してください。
 <対処方法2>大腸菌、JMシリーズ株や野生株を用いた際には、洗浄工程を追加してください。または、プラスミド吸着後、カラムにBufferD3 600µLを添加後5分間室温でインキュベートしてから遠心してください。

【予想される原因2】シークエンスPCR反応時のDNA量が多い

 <対処方法>シークエンスPCR反応のDNAを希釈する。

5:制限酵素消化が上手くいかない

【予想される原因1】酵素濃度、消化時間が不十分

 <対処方法1>制限酵素量と消化時間を増やしてください。
 <対処方法2>制限酵素の最適温度と最適Bufferで消化してください。

【予想される原因2】カラムを通過させたDNAにエタノールが残っている。

 <対処方法1>プラスミドをエタノール沈殿で回収または濃縮してください。
 <対処方法2>洗浄用BufferD3を添加後の遠心速度、時間を確認してください。遠心時間を延長して、BufferD3を除去してください。

6:溶出液中にRNAが存在

【予想される原因】RNaseA分解が不十分

 <対処方法1>使用前にRNaseAをBufferA3に添加したことを確認してください
 <対処方法2>RNaseA添加後のBufferA3を4℃で保存してください。
 <対処方法3>BufferC3を添加後、慎重に混合して室温で2~3分置いてから遠心する。
 <対処方法4>BufferC3添加後の遠心操作を10分間に延長してください。
 <対処方法5>必要ありましたら、培養液量を減らし、細胞発育速度を減速させるような培養液を調整してください。
 <対処方法6>BufferA3にRNaseAを添加後、6か月以上経過して、酵素活性が減少した場合には、新しくRNaseAを添加してください。

7:溶出液中にゲノムDNAが存在

【予想される原因1】溶解が長すぎる。

 <対処方法>BufferB3を添加、BufferC3を添加、遠心までを3分以内で行ってください。

【予想される原因2】ライセートの調製が不適切。培養液量が多い。

 <対処方法1>BufferC3を添加した後は、静かにマイクロ遠心チューブを上下転倒して下さい。
 <対処方法2>遠心後の上清液(ライセート)を丁寧に回収し、DNAの断片化を避けてください。
 <対処方法3>遠心後の上清液(ライセート)の粘性が高い場合は、培養液量を減らしてください。

【予想される原因3】培養時間が長すぎる。

 <対処方法>培養時間が長すぎると細胞が溶解し、分解DNAが生じます。細胞は12~16時間以上培養しないでください。