技術情報

MonoFas®口腔粘膜細胞ゲノムDNA抽出キットⅧ
トラブルシューティング/FAQ

1:MonoFas®シリーズは他社製品と何が違うのか?

  • 分離剤にシリカモノリスを用いているため、高純度かつ高負荷量でDNAの抽出・精製が行えます。
  • 通液部分にフィルターを用いていないため、液だまりが生じにくく、微量溶出が可能です。
  • シリカモノリスカラムに最適なBuffer組成としており、他社に比べて操作が単純なため、早く、簡便な操作が可能です。(洗浄工程後の空遠心、溶出Buffer添加後の静置不要です。)
  • 操作が単純なため、誰でも簡単に抽出が行えます。
  • 制御されたシリカモノリスを高い品質管理のもと製造しているため、再現性良くDNAを回収できます。

2:シリカモノリスは、どんなメリットがあるのか?

  • 微量溶出ができるため、エタノール沈殿なしでも高濃度DNAが抽出できます。
  • 特徴的な貫通孔(スルーポア)を持っているため、傷をつけず、また、幅広いサイズのDNA回収が可能です。
  • DNA抽出・精製に適した細孔(メソポア)を持っているため、DNAの結合能力が高く高純度で高い回収量が得られます。
  • 液切れが良く、空遠心等の操作が不要で、操作時間を短縮できます。
シリカモノリスの画像

3:回収量が少ない

【予想される原因1】口腔粘膜細胞とBuffer A8との混和が不十分なために細胞溶解が不完全。

 <対処方法>口腔粘膜細胞に加えたBuffer A8の量を確認してください。(適量な細胞量であればBuffer A8を200µL、多量な場合は400µL添加し調整してください。Buffer A8を400µL添加した場合はBuffer B8の量も400µLにしてください。新しいBuffer A8に添加後は、ボルテックスで完全にサンプルを溶解させてください。

【予想される原因2】インキュベーション時間が不十分なためにBuffer A8中での細胞溶解、タンパク質変性が不完全。

 <対処方法>細胞サンプルの溶解を確認し、インキュベーション時間を延長してください。

【予想される原因3】MonoFas SpinColumnにロードする前にライセートにイソプロパノールを添加していない

 <対処方法>イソプロパノールを正確に添加したか確認する。メタノールやメチルエチルケトンのような物質を含んだ変性アルコールは使用しない。新しいサンプルで再度DNA精製を行なう。

【予想される原因4】DNAの溶出が効率的でない

 <対処方法>モノリス表面の中央部分にBuffer D8を添加して全体が馴染むようにしてください。溶出効率を高めるため、MonoFas Spin ColumnにBuffer D8あるいは精製水をピペットで添加後、遠心操作前に室温でカラムを1分間インキュベートしてください。

【予想される原因5】溶出BufferのpHが適正でない(酸性)

 <対処方法>DNAは10mMのTris-HCl,pH8.5あるいは精製水のみで溶出させてください。溶出効率はpHに依存します。pH7.0~8.5で溶出効率が最も高くなります。低いpHはDNA収量を低下させることがあります。BufferD8を用いるか、精製水で溶出したい場合はpHが7.0以下でないことを確認してください

【予想される原因6】BufferA8が沈殿している

 <対処方法>BufferA8を約40℃で温めて再溶解する。

【予想される原因7】Buffer B8とC8の順番を間違えて使用

 <対処方法>Buffer B8とC8をプロトコルの順序に従って使用したか確認してください。新しいサンプルで再度DNA精製を行なう。

【予想される原因8】多量のBuffer D8 で溶出

 <対処方法>100µL以下の微量溶出では、溶出液のDNA濃度は増加しますが、DNA収量が多少低下します。微量DNAを含むサンプルには10µLのBuffer D8、あるいは精製水での溶出を推奨します。

4:精製した核酸のA260/A280が高い

【予想される原因1】MonoFas SpinColumnにロードする前にライセートにイソプロパノールを添加していない

 <対処方法>イソプロパノールを添加したことを確認してください。

【予想される原因2】Buffer A8 とBuffer B8が残っている、またはBuffer C8による洗浄が不十分

 <対処方法>精製DNAをエタノール沈殿して回収してください。

【予想される原因3】溶出液中にエタノールが残留、不純物が混入

 <対処方法>溶出の前に洗浄ステップを行ったことを確認してください。洗浄工程の追加又はDNA吸着後、カラムにBuffer C8 500µLを添加して、5分間室温でインキュベートしてから、遠心してください。

【予想される原因4】RNAの残留量がある

 <対処方法> RNAフリーを求める場合、精製後のDNA溶液をRNase Aで処理してください。
RNase A 溶液での処理方法 : PCRの前にテンプレートのRNAを除去する場合、溶出DNA 200µLに対し0.5µLのRNase A溶液を入れ、37℃で15分間インキュベーションする。

【予想される原因5】サンプル中のDNA量が不十分

 <対処方法>溶出液中にDNAが少ない場合は、反応に添加する溶出液量を増やしてください。必要に応じて、DNAを真空濃縮するか、細胞数が少ない場合は、サンプル量を増やして、再度精製を行ってください。もしくは、溶出量を50µLにするなど液量を減らしてください。溶出量を減らすとDNA量はわずかに低下しますが、溶出液中の核酸濃度は増加します。カラム上にDNAが残っている場合がありますので、溶出ステップ後に、同一溶出液を再度カラムにアプライしてください。溶出ステップを繰り返すと回収量があがる場合があります。

【予想される原因6】PCR増幅反応の感度が低下

 <対処方法>PCR増幅反応にテンプレートとして添加する溶出液の量を調節してください。

【予想される原因7】PCR増幅反応セットアップを変更

 <対処方法>添加された溶出液量を調節して増幅システムを再度至適化してください。

5:ライセートがカラムを完全に通過しない

【予想される原因】細胞量が多く、完全に溶解されてない

 <対処方法1>プロトコル通りの細胞量で使用してください。
 <対処方法2>1分間あるいは全ライセートがモノリスを通過するまで遠心分離してください。

6:アガロースゲルで確認したDNAより精製後に確認したDNAが少ない

【予想される原因1】アガロースゲル上のDNAにコンタミ成分がある

 <対処方法>アガロースゲル上のDNA量をエチジウムブロマイドで定量してください。

7:精製DNAをアガロースゲルにアプライできない

【予想される原因1】カラムから回収したDNAにコンタミがある。

 <対処方法>DNAをエタノール溶液で再度精製してください。

【予想される原因2】Buffer B8が残っている。

 <対処方法1>残余のDNAを再度モノリスカラムで遠心してください。
 <対処方法2>残余のDNAサンプルに2倍のBPP色素を添加してください。

8:精製効率が悪い

【予想される原因1】Buffer A8が残っている。溶出液中にエタノールが残留。不純物が混入。

 <対処方法>本取扱説明書の各ステップをもう一度確認して各ステップを忠実に実行してください。

【予想される原因2】溶出液中に変性ssDNAを含む。(コンタミネーション)

 <対処方法>用意した反応液を95℃で2分間インキュベート後、室温まで冷却する。その後酵素を加えて酵素反応させる。

9:制限酵素消化がうまく行かない

【予想される原因1】酵素濃度、消化時間が不十分。

 <対処方法>酵素量と消化時間を増やしてください。適切な温度と最適Bufferで消化してください。

【予想される原因2】カラムを通過させたDNAにエタノールが残っている。

 <対処方法>DNAをエタノール沈殿で回収または濃縮してください。