技術情報

MonoFas®DNA精製キットⅠ トラブルシューティング/FAQ

1:MonoFas®シリーズは他社製品と何が違うのか?

  • 分離剤にシリカモノリスを用いているため、高純度かつ高負荷量でDNAの抽出・精製が行えます。
  • 通液部分にフィルターを用いていないため、液だまりが生じにくく、微量溶出が可能です。
  • シリカモノリスカラムに最適なBuffer組成としており、他社に比べて操作が単純なため、早く、簡便な操作が可能です。(洗浄工程後の空遠心、溶出Buffer添加後の静置不要です。)
  • 操作が単純なため、誰でも簡単に抽出が行えます。
  • 制御されたシリカモノリスを高い品質管理のもと製造しているため、再現性良くDNAを回収できます。

 

2:シリカモノリスは、どんなメリットがあるのか?

  • 微量溶出ができるため、エタノール沈殿なしでも高濃度DNAが抽出できます。
  • 特徴的な貫通孔(スルーポア)を持っているため、傷をつけず、また、幅広いサイズのDNA回収が可能です。
  • DNA抽出・精製に適した細孔(メソポア)を持っているため、DNAの結合能力が高く高純度で高い回収量が得られます。
  • 液切れが良く、空遠心等の操作が不要で、操作時間を短縮できます。
シリカモノリスの構図

3:回収率が低い場合はどうしたらよいか?

【予想される原因1】ゲル片、PCR産物に加えたBufferAの量が多い(少ない)

 <対処方法>ゲル片、PCR産物に加えるBufferA量を確認してください。ゲル片10mgに対して10µL、PCR産物10µLに対して100µL加えてください。

【予想される原因2】ゲルが完全に溶解していない。

 <対処方法1>ゲルが完全に溶解したことを確認してください。
 <対処方法2>溶解時間を長くしてください。
 <対処方法3>溶解中、2~3回試料を撹拌(ボルテックス)してください。

【予想される原因3】溶出Bufferが、モノリスに拡散していない。

 <対処方法>Buffer Cをモノリスの中心部分に添加してください。

【予想される原因4】オリジナル溶出液の調製不良

 <対処方法>オリジナル溶出液がpH=8.5~9.0であることを確認してください。

4:蛍光シークエンスで結果が得られない場合は?

【予想される原因1】シークエンスPCR反応時のDNA量が少ない。

 <対処方法1>シークエンスPCR反応のDNA量を増やしてください。
 <対処方法2>エタノール沈殿によりDNAを濃縮してください。

【予想される原因2】シークエンスPCR反応時のDNA量が多い

 <対処方法>シークエンスPCR反応のDNAを希釈してください。

5:制限酵素消化が上手くいかないときは?

【予想される原因1】酵素濃度、消化時間が不十分

 <対処方法1>酵素量と消化時間を増やしてください。
 <対処方法2>適切な温度と最適Bufferで消化してください。

【予想される原因2】カラムを通過させたDNAにエタノールと塩が残っている。

 <対処方法1>DNAをエタノール沈殿してください。
 <対処方法2>DNA量を反応量の10%に設定してください。

6:アガロースゲルで確認したDNA量より、精製後に確認したDNAが少ない場合は?

【予想される原因1】アガロースゲル上のDNAに夾雑物がある。

 <対処方法>アガロースゲル上のDNAをエチジウムブロマイドで定量してください。

【予想される原因2】スピンカラムから回収したDNAに夾雑物がある。

 <対処方法1>溶出したDNAを再度スピンカラムで精製してください。
 <対処方法2>DNA量を反応量の10%に設定してください。

7:精製DNAの吸光度A260/A280が低い場合は?

【予想される原因1】Buffer Aが残っている。Buffer Bによる洗浄が不十分。Buffer Bが残っている。遠心回転数が低い、または時間が不十分。

 <対処方法>DNAをエタノール沈殿で精製後、必要に応じて再度スピンカラムで精製してください。

【予想される原因2】吸引圧が低い。

 <対処方法>吸引法では、-68kPa(-20inch Hg)以上の吸引圧が必要です。吸引で通液が不十分なときは、遠心法で対応して下さい。

8:精製DNAをアガロースゲルにアプライ出来ないときは?

【予想される原因】Buffer Bが残っている。

 <対処方法1>精製DNAを再度スピンカラムで精製してください。
 <対処方法2>Buffer A(吸着Adsorption)の量を2倍に増やしてください。

9:精製DNAのバンドがはっきりしない場合は?

【予想される原因1】アガロースゲルの溶解が不十分。

 <対処方法>アガロースゲルとBuffer Aをよく混合する。

【予想される原因2】DNAがヌクレアーゼで分解している。

 <対処方法1>各種Bufferの期限を確認し、製造日から1年を過ぎている場合は、新しいBufferをご使用ください。
 <対処方法2>各種Bufferを滅菌してください。

10:クローニング効率が低いときは?

【予想される原因1】Buffer Aが残っている。Buffer Bが残っている。アガロースゲルが混入している。

 <対処方法>プロトコルを再度確認し、各ステップを忠実に実行して下さい。

【予想される原因2】溶出液中にプライマー、ダイマーが混入している。

 <対処方法>20bpより大きいプライマー、ダイマーが形成され完全に除去されていないため、吸着ステップ後、35%塩酸グアニジン水溶液で洗浄し、その後洗浄Buffer Bで洗浄、溶出ステップに進んでください。

【予想される原因3】溶出液中に変性ssDNAを含む。(コンタミネーション)

 <対処方法>用意した反応液を95℃で2分間インキュベートした後、ゆっくり室温まで冷却してください。その後、酵素を加えて酵素反応させてください。