技術情報

MonoFas®培養細胞ゲノムDNA抽出キットⅥ
トラブルシューティング/FAQ

1:MonoFas®シリーズは他社製品と何が違うのか?

  • 分離剤にシリカモノリスを用いているため、高純度かつ高負荷量でDNAの抽出・精製が行えます。
  • 通液部分にフィルターを用いていないため、液だまりが生じにくく、微量溶出が可能です。
  • シリカモノリスカラムに最適なBuffer組成としており、他社に比べて操作が単純なため、早く、簡便な操作が可能です。(洗浄工程後の空遠心、溶出Buffer添加後の静置不要です。)
  • 操作が単純なため、誰でも簡単に抽出が行えます。
  • 制御されたシリカモノリスを高い品質管理のもと製造しているため、再現性良くDNAを回収できます。

2:シリカモノリスは、どんなメリットがあるのか?

  • 微量溶出ができるため、エタノール沈殿なしでも高濃度DNAが抽出できます。
  • 特徴的な貫通孔(スルーポア)を持っているため、傷をつけず、また、幅広いサイズのDNA回収が可能です。
  • DNA抽出・精製に適した細孔(メソポア)を持っているため、DNAの結合能力が高く高純度で高い回収量が得られます。
  • 液切れが良く、空遠心等の操作が不要で、操作時間を短縮できます。
シリカモノリスの構図

3:回収量が少ない

【予想される原因1】培養細胞とBufferA6との混和が不十分なために細胞溶解が不完全。

 <対処方法>培養細胞に加えたBufferA6の量を確認してください。(例)PBS-培養細胞溶液200µLに対してBufferA6を600µL、BufferA6 添加後、ボルテックスで完全に溶解させてください。

【予想される原因2】インキュベーション時間が不十分なためにBufferA6中での細胞溶解、タンパク質変性が不完全

 <対処方法1>新しいサンプルで再度DNA精製を行ってください。
 <対処方法2>培養細胞サンプルの溶解を確認し、インキュベーション時間を延長してください。

【予想される原因3】MonoFas SpinColumnにロードする前にライセートにイソプロパノールを添加していない。

 <対処方法>イソプロパノールを正確に添加したか確認してください。メタノールやメチルエチルケトンのような物質を含んだ変性アルコールは使用しないでください。

【予想される原因4】DNA溶出が効率的でない。

 <対処方法1>溶出工程で、モノリス表面の中央部分にBufferC6を添加して全体が馴染むようにしてください。
 <対処方法2>溶出効率を高めるため、MonoFas SpinColumnにBufferC6あるいは精製水をピペットで添加後、遠心操作前に室温でカラムを1分間インキュベートしてください。

【予想される原因5】溶出BufferのpHが適正でない(酸性)。

 <対処方法>DNAは10mMのTris-HCl(8.5~9.0)あるいは、精製水のみで溶出させてください。溶出効率はpHに依存します。pH=7.0~8.5で最も効率よく回収できます。低いpHは、DNA収量を低下させることがあるため、精製水で溶出したい場合は、pH=7.0以下でないことを確認してください。

【予想される原因6】Buffer B6とC6の順番を間違えて使用。

 <対処方法>Buffer B6とC6をプロトコルの順序に従って使用したか確認してください。

【予想される原因7】多量のBuffer C6 で溶出。

 <対処方法>100µL以下の微量溶出では、溶出液のDNA濃度は増加しますが、DNA収量は多少低下します。微量DNAを含むサンプルは、20µLのBuffer C6あるいは精製水での溶出を推奨します。

4:精製した核酸のA260/A280が高い

【予想される原因1】MonoFas SpinColumnにロードする前にライセートにイソプロパノールを添加していない

 <対処方法>イソプロパノールを添加したことを確認してください。

【予想される原因2】Buffer A6が残っている、またはBuffer B6による洗浄が不十分

 <対処方法>精製DNAをエタノール沈殿して回収してください。

【予想される原因3】溶出液中にエタノールが残留、不純物が混入

 <対処方法>溶出の前に洗浄ステップを行ったことを確認してください。洗浄工程の追加又はDNA吸着後、カラムにBuffer B6 500µLを添加して、5分間室温でインキュベートしてから、遠心します。

【予想される原因4】RNAの残留量がある

<対処方法>RNAフリーを求める場合、精製後のDNA溶液をRNase Aで処理してください。
RNase A 溶液での処理方法 : PCRの前にテンプレートのRNAを除去する場合、溶出DNA 200µLに対し0.5µLのRNase A溶液を入れ、37℃で15分間インキュベーションする。

【予想される原因5】サンプル中のDNA量が不十分

 <対処方法>溶出液中にDNAが少ない場合は、反応に添加する溶出液量を増やしてください。必要に応じて、DNAを真空濃縮するか、使用したサンプル量を増やして、再度精製を行ってください。精製したDNA量が相変わらず少ない場合には、溶出量を50µLに減らしてください。溶出量を減らすとトータルDNA量はわずかに低下しますが、溶出液中の核酸濃度は増加します。MonoFas Spin Column上に残留したDNAは溶出ステップ後に、同一溶出液を再度カラムにアプライし溶出ステップを繰り返すことで回収できます。

【予想される原因6】PCR増幅反応の感度が低下

 <対処方法>PCR増幅反応にテンプレートとして添加する溶出液の量を調節してください。

【予想される原因7】PCR増幅反応セットアップを変更

 <対処方法>添加された溶出液量を調節して増幅システムを再度至適化してください。

5:ライセートがカラムを完全に通過しない

【予想される原因】細胞量が多く、完全に溶解されてない

 <対処方法1>プロトコル通りの細胞量で精製して下さい。
 <対処方法2>1分間あるいは全ライセートがモノリスを通過するまで遠心分離して下さい。

6:アガロースゲルで確認したDNA量より、精製後に確認したDNAが少ない

【予想される原因1】アガロースゲル上のDNAに夾雑物がある。

 <対処方法>アガロースゲル上のDNAをエチジウムブロマイドで定量してください。

【予想される原因2】スピンカラムから回収したDNAに夾雑物がある。

 <対処方法>DNAをエタノール溶液で再度精製してください。

7:精製DNAをアガロースゲルにアプライできない

【予想される原因】Buffer B6が残っている

 <対処方法1>残余のDNAを再度モノリスカラムで遠心してください。
 <対処方法2>残余のDNAサンプルに2倍のBPP色素を添加してください。

8:精製効率が悪い

【予想される原因1】Buffer A6が残っている。溶出液中にエタノールが残留。不純物が混入。

 <対処方法>本取扱説明書の各ステップを再度確認し、各ステップを忠実に実行してください。

【予想される原因2】溶出液中に変性ssDNAを含む。(コンタミネーション)

 <対処方法>用意した反応液を95℃で2分間インキュベート後、室温まで冷却する。その後酵素を加えて酵素反応させる。

9:制限酵素消化がうまく行かない

【予想される原因1】酵素濃度、消化時間が不十分。

 <対処方法>酵素量と消化時間を増やし、適切な温度と最適Bufferで消化してください。

【予想される原因2】カラムを通過させたDNAにエタノールが残っている。

 <対処方法>DNAをエタノール沈殿で回収または濃縮してください。