技術情報

MonoFas®バクテリアゲノムDNA抽出キットⅦ
トラブルシューティング/FAQ

1:MonoFas®シリーズは他社製品と何が違うのか?

  • 分離剤にシリカモノリスを用いているため、高純度かつ高負荷量でDNAの抽出・精製が行えます。
  • 通液部分にフィルターを用いていないため、液だまりが生じにくく、微量溶出が可能です。
  • シリカモノリスカラムに最適なBuffer組成としており、他社に比べて操作が単純なため、早く、簡便な操作が可能です。(洗浄工程後の空遠心、溶出Buffer添加後の静置不要です。)
  • 操作が単純なため、誰でも簡単に抽出が行えます。
  • 制御されたシリカモノリスを高い品質管理のもと製造しているため、再現性良くDNAを回収できます。

2:シリカモノリスは、どんなメリットがあるのか?

  • 微量溶出ができるため、エタノール沈殿なしでも高濃度DNAが抽出できます。
  • 特徴的な貫通孔(スルーポア)を持っているため、傷をつけず、また、幅広いサイズのDNA回収が可能です。
  • DNA抽出・精製に適した細孔(メソポア)を持っているため、DNAの結合能力が高く高純度で高い回収量が得られます。
  • 液切れが良く、空遠心等の操作が不要で、操作時間を短縮できます。
シリカモノリスの構図

3:回収量が少ない

【予想される原因1】サンプル中の細胞濃度が低い。

 <対処方法>培養液中の細胞濃度O.D.を測定し、適量のサンプル濃度にて抽出してください。

【予想される原因2】菌体の量が多すぎる、加えたBuffer A7、AP7の量が足りない。

 <対処方法>菌体に加えたBuffer A7、AP7の量を確認してください。グラム陰性菌200µL培養液に対してBufferA7を200µL、グラム陽性菌1000µL培養液に対してBufferAP7を200µL加えてください。

【予想される原因3】サンプルとBuffer A7、AP7との混和が不十分なために細胞溶解が不完全

 <対処方法>細胞ペレットにBuffer A7、AP7に添加後、ボルテックスで完全に溶解させてください。

【予想される原因4】100%エタノールの代わりに低い濃度のエタノールを使用した

 <対処方法>100%エタノールを用いてください。

【予想される原因5】プロテアーゼ活性の低下により、細胞溶解が不完全。

 <対処方法>Proteinase Kストック溶液で再度DNA精製を行ってください。ストック溶液は使用後すぐに2 ~ 8℃で保存してください。Proteinase KをBuffer A7、AP7には直接添加しないでください。

【予想される原因6】インキュベーション時間が不十分なためにBuffer A7、AP7中での細胞溶解、タンパク質変性が不完全。

 <対処方法>サンプルの溶解を確認し、インキュベーション時間を延長してください。目にみえる白い沈殿物がないか確認してください。

【予想される原因7】カラムにロードする前にライセートにエタノ-ルを添加していない。

 <対処方法>エタノ-ルを添加したかを確認してください。メタノールやメチルエチルケトンのような物質を含んだ変性アルコールは使用しないでください。

【予想される原因8】DNAの溶出が不十分

 <対処方法>溶出効率を高めるため、カラムにBuffer E7あるいは精製水をピペットで添加後、遠心操作前に室温でカラムを1分間インキュベートしてください。

【予想される原因9】溶出BufferのpHが適正でない(酸性)

 <対処方法>DNAは10mMのTris-HCl,pH8.5あるいは精製水のみで溶出させてください。溶出効率はpHに依存します。pH7.0~8.5で溶出効率が最も高くなります。低いpHはDNA収量を低下させることがあります。精製水で溶出したい場合はpHが7.0以下でないことを確認してください。

【予想される原因10】Buffer C7とD7の順番を間違えて使用

 <対処方法>Buffer C7とD7をプロトコルの順序に従って使用したか確認してください。

【予想される原因11】多量のBuffer E7 で溶出

 <対処方法>100µL以下で微量溶出を行なう場合は、溶出液のDNA濃度は増加しますが、DNA収量が多少低下します。微量DNAを含むサンプルは、20µLのBufferE7あるいは精製水での溶出を推奨します。

【予想される原因12】溶出用Buffer E7がモノリス表面に拡散していない

 <対処方法>モノリス表面の中央部分にBuffer E7を添加して全体が馴染むようにする。

4:精製した核酸のA260/A280が高い

【予想される原因1】サンプルとBuffer A7、AP7との混和が不十分なために細胞溶解が不完全

 <対処方法>細胞ペレットとBuffer A7、AP7をボルテックスで完全に溶解させてください。

【予想される原因2】Proteinase K活性の低下により細胞溶解が不完全

 <対処方法>新しいProteinase Kストック溶液で再度DNA精製を行ってください。ストック溶液は使用後すぐに2 ~ 8 ℃で保存してください。Proteinase KをBuffer A7に直接添加しないでください。

【予想される原因3】インキュベーション時間が不十分なためにBuffer A7、AP7中での細胞溶解、タンパク質変性が不完全

 <対処方法>サンプルの溶解を確認し、インキュベーション時間を延長してください。目にみえる白い沈殿物がないか確認してください。

【予想される原因4】カラムにロードする前にライセートにエタノ-ルを添加していない

 <対処方法>エタノールを添加したか確認してください。

【予想される原因5】Buffer C7とD7の順番を間違えて使用した

 <対処方法>Buffer C7とD7をプロトコルの順序に従って使用したか確認してください。

【予想される原因6】Buffer B7が残っている、またはBuffer C7、D7による洗浄が不十分

 <対処方法>精製DNAをエタノール沈殿して回収してください。

【予想される原因7】溶出液中にエタノールが残留、不純物が混入

 <対処方法>溶出の前に洗浄ステップを行ったことを確認してください。グラム陽性菌から精製した際に洗浄工程の追加又はDNA吸着後、カラムにBuffer D7 300µLを添加して、5分間室温でインキュベートしてから、遠心してください。

【予想される原因8】RNAの残留量が多い

 <対処方法>RNAフリーを求める場合、精製後のDNA溶液をRNase Aで処理してください。
RNase A 溶液での処理方法 : PCRの前にテンプレートのRNAを除去する場合、溶出DNA 200µLに対し0.5µLのRNase A溶液を入れ、37℃で15分間インキュベーションする。

【予想される原因9】Buffer A7、AP7添加前にBuffer B7をサンプルに添加した

 <対処方法>Buffer A7、AP7添加後必ずボルテックスし、細胞溶解確認後、Buffer B7を添加しボルテックスしてください。

5:精製したDNAの酵素反応効率が低い

【予想される原因1】溶出液中のDNA量が不十分

 <対処方法>溶出液中にDNAが少ない場合は、反応に添加する溶出液量を増やしてください。必要に応じて、DNAを真空濃縮するか、細胞数が少ない場合は、サンプル量を増やして、再度精製を行ってください。もしくは、溶出量を50µLにするなど液量を減らしてください。溶出量を減らすとDNA量はわずかに低下しますが、溶出液中の核酸濃度は増加します。カラム上にDNAが残っている場合がありますので、溶出ステップ後に、同一溶出液を再度カラムにアプライしてください。溶出ステップを繰り返すと回収量があがる場合があります。

【予想される原因2】調製中の阻害物質

 <対処方法>「4:精製した核酸のA260/A280が高い」の項をチェックしてください。

【予想される原因3】溶出液中にBuffer D7が残留

 <対処方法>プロトコルにおける洗浄工程2の後に乾燥させてください。(エタノールを完全にとばす)溶出の前に、カラムに廃液が付着していないことを確認してください。

【予想される原因4】Buffer C7とD7の順番を間違えて使用

 <対処方法>Buffer C7とD7をプロトコルの順序に従って使用したか確認してください。

【予想される原因5】PCR増幅反応の効率が悪い

 <対処方法>PCR増幅反応にテンプレートとして添加する溶出液の量を調節する。添加された溶出液量を調節して増幅システムを再度至適化してください。

6:溶出液中にRNAが存在

【予想される原因】RNAが分解している。

 <対処方法>RNase A処理を行ってください。Buffer A7、AP7添加後ボルテックス、RNase A(40mg/mL)10µL添加し、ボルテックス後、40℃で15分間反応させてください。その後Buffer B7を添加、ボルテックス混合して、プロトコル通りの順序に従って精製行ってください。

7:Buffer A7、AP7,中の白色沈殿物

【予想される原因】白色沈殿物は低温での保存あるいは長期保存により形成します。

 <対処方法>Buffer A7、AP7中のほとんどの沈殿物は56℃でのインキュベーションにより溶解されます。沈殿物がDNA精製に影響を与えることはないです。沈殿物を高温で溶解しても、精製される核酸の収量あるいは品質に影響を及ぼすことはありません。

8:Buffer A7、AP7にBuffer B7を入れると白色沈殿物が形成

【予想される原因】細胞が完全に溶解していない。

 <対処方法>通常、白色沈殿物はありませんが、多少形成していても、エタノ-ル添加攪拌の際に白色沈殿物がほとんど溶解されます。この沈殿物はDNA精製、あるいは次工程の実験にも影響を及ぼしません。

9:ライセートがカラムを完全に通過しない

【予想される原因】細胞濃度が高く、完全に溶解されてない。

 <対処方法>プロトコル通りの細胞量の場合:最高速度で1分間あるいは全ライセートがモノリスを通過するまで遠心分離してください。細胞濃度O.D.が0.6以上であった場合:サンプルを水で希釈し、精製を行ってください。